「Romantic Ideal」by高木耕一郎
2012年1月19日(木)~ 2月4日(土)
このたびGALLERY TARGETでは高木耕一郎の個展「Romantic Ideal」を開催いたします。
東京で生まれ、アメリカで教育を受け、しばらくNY を制作拠点にして帰国した高木はペインティングから刺繍まで作風の幅は広い。しかし幅広い表現方法において一貫して言えるのは彼の作品はある種の居心地の悪さや矛盾を内包しており、モチーフに「人」がほとんど出て来ることがないことである。
モチーフは多くの場合、動物や擬人化された動物達であり、その表情は時にかわいらしく、時に牙をこちらに向け鑑賞者を睨みつけている。そこには動物を主人公にした作品だからこその匿名性と神秘性が内包され、親近感と違和感が混在する奇妙な居心地の悪さを生む。
動物は日本に限らず世界中の多くの神話にも登場し、人を導く存在あると同時に、人を欺き、陥れる存在でもある。良くも悪くも、何かしらの指針や出来事を示す存在として崇められている。
作家自身、方向を示す「何か」を求めている。
特定の宗教が根付いているわけでもなく、あらゆるジャンルの世界中の価値観が同列に全ての情報が扱われているこの日本において、様々な矛盾と共存しながらも方向を定める「何か」「誰か」の存在を求めている。
高木の作品は揺れ動く人々の心情や抱えている矛盾を描きながら、見た事は無いがあると信じたい理想郷の存在を表現している。理想郷への導き手として彼の作品の主人公の表情に秘められた様々な思惑は、鑑賞者の内面に対して今一度、揺らぐ価値観の中での各々にとっての真実とは何かを問いかけている。
2012年1月19日(木)~ 2月4日(土)
レセプション:2011年3月25日(金)19:00 ~ 21:00
高木耕一郎 / Koichirou Takagi
2011年のパリでの個展の成功はじめ国内外の企画展やグループ展の参加や個展開催で画家として精力的な活動し、BEAMS、PORTERやPaul Smithなどのアパレルブランドへのデザイン提供やコラボレーションも多く行っている。またロンドンのギャラリーCONCRETE HERMITのショウへの参加やNY Times等のメデイアに紹介される彼は今注目する作家の一人である。